東横堀川の未利用施設の再生 SUIMON HOTEL はじまる
- 東横堀川ING
- 2025.02.25
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- 地域とつながる
- 官民連携のまちづくり
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官民連携でひらく水辺の未来
大阪の川の中で、唯一全面を高速道路に覆われた東横堀川。水門で囲まれた安全な水面と空間が強みです。将来的には全域が公園・緑道になって歩けるようになる計画ですが、今はまだまだ活用されていない水辺が広がっています。
沿川の護岸耐震補強工事により、水辺空間の拡幅や水辺とまちのつながりが生まれる事を契機に、2023年より「東横堀川水辺プラットフォーム検討会」(以下、検討会)を立ち上げ官民連携で東横堀川の将来を描く未来ビジョンの検討をはじめ、東横堀川とまちのつながりを取り戻し、人が集まる水辺へと再編していく取り組みを進めています。
検討会では、閉じている水辺資産をひらき、社会実験を通して利活用可能性や課題を把握した上で、その場に応じた民間導入などによって定常的にひらき、未来につなげる「ひらくプロジェクト」をスタートしました。そのパイロットプロジェクトとして、今は使われていない旧水門施設を“ひらく”「東横堀川水門ホテルプロジェクト」を進めています。
東横堀川旧水門施設について
東横堀川旧水門施設は、昭和53年(1978年)に完成しました。東横堀川河川浄化用水門という名称で、東横堀川・道頓堀川の河川浄化のために設置された水門でした。堂島川や道頓堀川などの水門と連携し、寝屋川からの汚れた水をシャットアウトし、旧淀川(大川)のきれいな水だけを導き入れる方法で、東横堀川・道頓堀川の水質浄化を図る役割を担っていました。水門の型式は鋼製単葉桁構造ローラーゲート、巻上方式は、電動機ワイヤーロープ・片側巻取式。
平成13年(2001年)には、現在稼働している東横堀川水門が完成し、旧水門はその役割を終え、現在は水門のゲートは撤去され、操作室などがあった管理施設と連絡橋、ゲートの支柱が残っています。

東横堀川旧水門のパンフレット(抜粋) 提供:大阪市建設局
東横堀川水門ホテルプロジェクト

東横堀川旧水門施設 撮影:原田祐馬
東横堀川旧水門施設の建屋が使用できる状態で残っており、水辺を望む他にはない立地であることから、この場をひらき、まちの魅力として生まれ変わらせたいという検討会事務局の想いからはじまりました。
検討会の委員であるUMA/design farmの原田氏に相談し、デザインはUMA/design farm、建築はdot architectsに参画いただき、旧水門施設を具体的に改修・利活用していくためのプロジェクトチームができました。限られた予算の中で、創意工夫を凝らし、東横堀川を室内に取り込んだような魅力的な空間が実現しています。
訪れるホテル 東横堀川に訪れる人々を受け入れる・訪れるきっかけに

当初は滞在性に振り切った泊まれるホテルという構想もありましたが、施設のインフラ面の課題と、より多くの方々に多様な使い方をしてもらうことで、この場の価値を感じてもらいたいという想いから、旧水門施設を東横堀川に訪れる人々を受け入れるホテルと見立て、「SUIMON HOTEL HIGASHI-YOKOBORI-RIVER」と名付け、施設の1室をホテルのフロントとしてひらきます。
フロント空間を活用し、多様な使い方のトライアルを行うことで、未利用施設を活かした、新たな水辺の魅力を伝える拠点としての利活用可能性を探る社会実験が3月からスタートします。
プロジェクトスケジュール
◾︎25年3〜5月:プレ実験期間
検討会・プロジェクトチーム主催にて利活用実験。利活用ルールづくり。
◾︎25.6〜26.3月:実験期間
広く使ってみたい方の利活用にチャレンジする。
◾︎26.1〜3月:検証
利活用実験の検証・今後の展開検討
3月の予定
◾︎3月7日(金)〜9日(日)
11:00〜19:00(最終日は16:00まで)
新建築書店 | POST architecture books
ポップアップイベント
建築専門雑誌を発行する新建築社と恵比寿の書店POSTが共同で運営を行う,建築とアートの領域をまたぐ専門書店のポップアップイベントを開催。
◾︎3月30日(日)
11:00〜17:00
お花見オープンデー
桜が咲いているだろう3月末に、どなたでも見学・滞在してもらえるオープンデーを開催。
お気軽にお越しください。
東横堀川水門ホテルプロジェクトチーム
Art Direction/Design UMA/design farm
Architect dot architects
Produce 東横堀川水辺プラットフォーム検討会
協力
株式会社中川ケミカル(カッティングシート提供)
お掃除ワークショップ参加者のみなさん
問合せ
東横堀川水辺プラットフォーム検討会・事務局
一般社団法人 水辺ラボ(担当:依藤・助野)
pf@hommachibashi.jp
この記事を書いた人

一般社団法人 水辺ラボ
依藤 智子