コンセプト

そこに行けば、誰かに会える。
「この指とまれ」で何かが始まる。
かつての「空き地」のような場所が
いま改めて、まちに必要なのかもしれない。
β本町橋は、そんな想いから生まれた水辺の実験基地です。

川とまちに潜むポテンシャルを掘り起こし、
さまざまな人をつなぎながら、
「遊ぶ」「働く」「学ぶ」「暮らす」喜びが豊かに発芽するような、
これからの「パブリック」を耕し、そだてていく。
このまちの日常をアップデートし続ける、
それとともに変わり続けるβ本町橋へ、ようこそ。

 

「β本町橋」名称に込めた想い

βには、「実験中」「未完成の」という意味があります。
常に実験精神とオープンマインドを忘れず、進化し続ける場でありたいとの想いを込め「β本町橋」と名付けました。

ミッション

水辺×まち×人の関係を
もっと豊かにするためのかけ橋になります

β本町橋は、大阪市との事業協定にもとづく、
規制緩和スキームから生まれた新しいパブリックスペース。
都心の水辺・公園を最大限活用しながら、
タテやヨコに分かれている水辺×まち×人の関わりをつないでいきます。
20年間にわたってまちに並走することで、
新しいパブリックのモデルが生まれ、
コミュニティと経済の巡りがよくなり、想いを受けつぐ人が育っていく。
このまちのそんな未来が、どこかのまちや水辺の可能性にもつながると考えています。

mission1. 水辺の仕組みになる

大阪市と20年間の事業協定を結び、水面・公園を活用しながら、新しい水辺の魅力を生み出します。

mission2. まちのチカラになる

地域とともに活動し、収益をまちに再投資・還元することで、ローカル経済とコミュニティに好循環を生み出します。

mission3. 人の可能性を育てる

まちや公共空間をフィールドに、いろんな人の「やりたい」を活かして、身近な環境への発見や学びの場をつくります。

ビジョン

日常をアップデートする水辺は暮らしの価値を育む

私たちは、東横堀川の水辺を、いろんな活動と主体が集まる実験場と考え、
そこに関わる人とともに川とまちを耕し、発酵させ、水辺から暮らしの価値を生み出していきます。

<水都大阪コンソーシアム「東横堀川水辺ビジョン」より>

施設概要

▪︎名 称 :β本町橋
▪︎所在地 :〒540-0029 大阪市中央区本町橋4-8
▪︎構 造 :木造(耐火建築物)
▪︎延床面積:282.08㎡
▪︎竣工年 :20217

建築コンセプト

可能性の場としてのβ

 本町橋のたもとの水辺公園内に立つ施設として、街を行き交う人々、川で遊ぶ人々、公園で過ごす人々のそれぞれに開かれ、新しい体験へと誘われるような建築であること、そして「β本町橋」という施設名称に込められた「常に更新していく水辺の実験基地」という構想を後押しする建築であることを目指して設計しました。

 案内所としての役割もあるキオスクと、様々なイベントに対応できるキッチンが設けられた1階は、3.8mの天井高を持って、公園とひと繋がりの空間となり、主にオフィス・レンタルスペースとしての機能を持つ2階は、本町橋と東横堀川を望みながら、適度に街から距離をとっています。

 平面計画は、単純な架構をベースとしながら、場所ごとに少しずつ個性を与えることで、「ここはこんなふうに使えるかも」と、想像を膨らませてもらえるきっかけをつくることを試みました。素材は、主材である木材に、金属素材や明るい青の仕上げを併用することで、立ち寄りやすい柔らかさと活動的な雰囲気が同居する空間となっています。

 設計時には想像もしなかった新しい活動が、この場所から生まれていくことを願っています。

井上真彦
MIST/MASAHIKO INOUE STUDIO

都市の中心部に木の架構で場所を造る

 敷地は大阪市の中心地にあり、当然建築仕様への耐火の要求が高い地域であり、周囲を見渡すと鉄とコンクリートで造られた敷地いっぱいの迫ってくるような建物ばかりです。

 そんな中、β本町橋は柱も梁も木を使って、地元の大工さん達と一緒に造りました。木の架構におおらかな屋根を掛けて場所を造る事で、無機質な市街地に接する憩いの水辺公園には有機的で優しい表情の建物で利用者を迎えたいと考えたからです。

 大きな格子状の木の骨組みは開放的で公園と建物内を連続させており、公園を歩くと自然に立ち寄ってしまうような佇まいを意図しました。

 様々な場面を想定し、架構は3mx3m、3mx4mの至極単純な計画としており、これから長く使われるβ本町橋をいつの時代も有効に機能させてくれることを期待しています。

髙橋勝
髙橋勝建築設計事務所

ヒストリー